育児に〈正解〉なんてありません。子どもの数だけ子育ての方法があるはずです。
 特に最近では、テレビや雑誌、インターネットなど、たくさんの育児情報があふれ、子育ての幅を広げてくれています。
 でもその一方で、だんだん〈子育てに本当に大切なもの〉が忘れられつつあるような気がするんです。
 私は独身時代から、7歳と5歳の子どもをもつようになった今まで、歯科衛生士として小児歯科にかかわり、保健所の1歳半検診などでお母さん方に虫歯予防の話をしたり、いろいろな場面で歯科指導を行ってきました。
 そうした活動を通じて感じるのは、お母さん方が本当に育児に一生懸命だということです。熱心に情報を集めて、実践していらっしゃいます。「○○は歯にいい」ときけば、すぐに取り入れ、「○○は与え過ぎちゃいけない」ときけば、すぐに与えるのをやめる…。
 ただ最近、そういう情報はたくさん得ていらっしゃるけど、子育てに本当に必要な知識・経験に欠けてしまっているお母さん方も多いように思うんです。
 絵本の世界にかかわるようになり、お母さん方といろいろお話ししていると、そうしたことが身体の面だけでなく、〈心〉の面でも同じように起こっているように感じます。
 「こうしたらいい」「ああしてみたら」と、情報はどんどん増えていくのだけれど、それと同じだけ疑問や心配も増えていく…。「せっかく○○してあげたのに、ちっとも思うようになってくれない」と、かえってイライラしてしまう…。情報の氾濫する現代社会において、逆に子どもの心が見えなくなってしまっているお母さん方が増えているような気がします。
 育児に〈正解〉なんてありません。ですから、アンテナを張って、子どものために様々な情報を取り入れるのは、とてもすばらしいことだと思います。ただ、そうした〈枝葉〉の情報をつける前に、しっかりとした〈幹〉〈根っこ〉となる部分をつくっておいてほしいなぁと、思わずにはいられないのです。
 〈身体の健康〉と同時に〈環境づくり〉が大切です。絵本の読み聞かせを通して、親も子も楽しんでできる子育てを…。そんなことを伝えたくて、このコラムを書き始めるようになりました。
 子育てにがんばるお母さん、そしてお父さんたちのお役に少しでも立てていただければという願いを込めて、私なりの子育てに対する思いをお伝えしたいと思います。
(松本直美)
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『子育てレシピ』 が紹介された新聞記事より
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体と心の健康取り戻そう

毎日新聞平成12年11月10日掲載
幼児期の土台作り大切に

西日本新聞平成12年8月12日掲載
肩ひじはらぬ子育てレシピ

神戸新聞平成12年9月3日掲載