現在の子育て事情と絵本講師の役目

 超少子化の時代、絶対的な需要の減少により危ういと言われていた育児市場も子ども一人にかける費用の増加によって、いまだ“不況に強い市場”として安定しているようです。そのような中で、「便利育児グッズ」ともいうべき新しい商品が次々と開発されています。
  また、幼児教育についても低年齢化が進み、ビデオやパソコンなど様々なメディアを駆使した教材が出回っています。ゆたかな時代になりましたが、反面、一種の危惧を感じてしまいます。
  私たちNPO法人「絵本で子育て」センターは、絵本で子育てすることの楽しさを子育て中の母・父親たちに語ることのできる人材を育成するために、「絵本講師・養成講座」を開講して8年目を迎えました。その講座活動を通じて、多くの若いお母さん方と出会いますが、子どもとどう接して良いのか分からず困惑し、苦痛さえ感じている方が増えてきたように思います。社会的に見ても、「育児ノイローゼ」という言葉が一種の流行のように使われており、虐待を含む子どもたちにかかわる悲惨な事件が頻発し、社会全体に不安感を与えています。

 便利保育グッズにしても幼児教育にしても、子どもとどう接すればいいか分からないところからくる焦燥感、不安感を物質的な面で補完しようとする一つの手段になっているような気がしてなりません。自分の子どもに物質的な充足感を与え、それで何となく、「わが子のために何かしてあげた」という気持ちになってしまうのです。また、その気持ちを深く探っていけば、親自身の欲求・欲望に行き当たることは想像に難くありません。
  物質的な豊かさは大いに結構です。でも本当は、それ以前に与えなければいけない、もっと大切なものがあるのではないでしょうか。乳幼児期の子どもにとって、最も身近な存在である親と触れ合うことは、これから人生を生きていくうえでとても大切なことなのです。お母さん、お父さんの肌や声に包まれ、心から安心できる「子どもの時間」を過ごすことによって、子どもは自分がかけがえのない存在であることを確認し、同時に他人を大切にしようという気持ちが芽生えていくのではないでしょうか。

 昔は当たり前のように行われていた親子の心の交流が、現代社会において失われつつあるように思われます。子どもたちの心を育てるのは、決して「モノ」ではありません。心を育てられるのは“こころ”だけなのです。
  私たちは、そんなお母さん方に絵本を使った子育てをお勧めしています。毎日、たとえ一冊でも、たとえ数分ですも、お膝で絵本を読んであげることによって、自然と親と子が肌を触れ合わせ、心を通わせる時間が生まれてきます。そうした時間の積み重ねこそが、子どもの心を育む一番の栄養素なのです。現在、様々な便利育児グッズが売り出され、私たちを助けてくれています。ただ、その“便利さ”とは、親が子どもに関わらなくても済むということも意味しています。楽だからいいよね、と簡単に手に取ってしまう前に、少しだけ考えてほしいのです。その便利さによって、逆に失われてしまうものがあるのではないだろうか、ということを。

 親に向かって子どもたちが懸命に伸ばしてくる手が、本当に求めているのは「何か」ということを、若いお母さん、お父さんの心に訪ねるのが、私たち絵本講師の役目なのです。

森 ゆり子
(NPO法人「絵本で子育て」センター理事長)

           

わたしの心のなかにある絵本たち
『絵本講師の本棚から』

33人の絵本講師が紡いだ感動の物語

・編/絵本講師の会
・発行/NPO法人「絵本で子育て」センター
・体裁/B6判ソフトカバー 224P
・定価/1470円(税込)


わたしの心のなかにある絵本たち
『続 絵本講師の本棚から』

33人の絵本講師が紡いだ感動の物語

・編/絵本講師の会
・発行/NPO法人「絵本で子育て」センター
・体裁/B6判ソフトカバー 224P
・定価/1470円(税込) 


わたしの心のなかにある絵本たち
『続々 絵本講師の本棚から』

33人の絵本講師が紡いだ感動の物語

・編/絵本講師の会
・発行/NPO法人「絵本で子育て」センター
・体裁/B6判ソフトカバー 226P
・定価/1470円(税込) 

書名  森ゆり子講演録
      「絵本を読んであげましょう」

著者  森ゆり子

発行  NPO 法人「絵本で子育て」センター
定価  1,200 円(税込)

体裁 四六判 ソフトカバー 140 ページ


絵本を読む 森 ゆり子

NPO法人「絵本で子育て」センターを応援してくださる方々(敬称略)

・梅田 俊作 (画家・絵本作家)
・中川 正文(大阪国際児童文学館名誉館長・作家)
・松居  直(児童文学家)
・片岡 直樹(川崎医科大学名誉教授・Kids21子育て研究所所長)

・飫肥 糺(批評家・エッセイスト)
・しみずみちを(絵本作家)
・柳田 邦男(ノンフィクション作家)



 
◆◇◆ お知らせ ◆◇◆

松居直講演録『こども・えほん・おとな』
4月20日全国書店で発売!
NPO法人「絵本で子育て」センターの主催する
「絵本講師・養成講座」
開講10周年記念の出版です。
絵本活動に関わっておられるすべての方へ。


むの たけじ講演録『絵本とジャーナリズム』

NPO法人「絵本で子育て」センターの主催する
「絵本講師・養成講座」
開講10周年記念出版 第2弾!!

最新

2014.01.10 第92号



〜 絵本とジャーナリズム
      編集に携わって思うこと 〜

大長 咲子


〜 第4回 〜
我が家の子育て  中村 史

〜 連載中 〜
絵本講師の発言席 原 知恵

↓ 最新記事はこちらからどうぞ
“たましい”をゆさぶる 子どもの本の世界
飫肥 糺さんの絵本コラム
絵本の力 絵本の可能性
子育ての現場からの報告
私の絵本体験記
読者の方々の体験記
リレーエッセー
『子育ての現場から』
土居安子のおすすめ絵本
おすすめ絵本の紹介
子ども歳時記
季節にあわせた絵本紹介
道聴塗説
藤井 勇市
我が家の子育て
中村 史
絵本講師の発言席
原 知恵
絵本出前講座
絵本講座・講演会より
中尾 卓英 氏
福島からの便り 12月04日記
バックナンバー 絵本フォーラム第18号より

最終更新日 2014.01.25

「絵本講師・養成講座」
第11期受講生募集


(0
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お知らせ


WHAT'S NEW
(07/14)
★むのたけじ氏記念講演★
絵本は人類文化の本流


(03/01)
★京都大学原子炉実験所 助教★
小出 裕章 氏
緊急インタビュー

見学&講演

講演録

★ 福島からの便り ★
毎日新聞記者 中尾 卓英 氏

震災から1000日の
12月04日に記す


(01/25)
絵本講座追加

(12/16)
修了生交流会

(01/05)
養成講座リポート

(10/16)
新聞記事紹介

惜別
中川正文先生



お母さん方に圧倒的共感
待望の絵本「講演録」出版

『絵本を読んで
あげましょう』


森 ゆり子・編
定価1200円 (税込)


まるごとえんものがたり第2弾
たかまるじいじがやってきた

『おじいさんも
 ようちえん 』

梅田俊作・佳子さく
定価1500円 (税込)


梅田俊作・佳子が見つけた
「子どもの時間」「子どもの楽園」

『おかあさんも
 ようちえん 』

梅田俊作・佳子さく
定価1500円 (税込)











★ 新たな「こども図書館=絵本の花束」の企画を検討中 ★
昨年、『ほるぷこども図書館』の中止
(絶版)をお知らせいたしました以降も、
多くの読者の皆さまから企画継続の要請が
当「絵本で子育て」センターに
届いております。
当センターでは皆さまのお声に応えるべく、
50年の歴史を有する『ほるぷこども図書館』を
新たな形で企画・継続すべく
(新企画=絵本の花束)検討しております。
成否につきまして確たることが
申しあげられないのが
誠に恐縮至極でございますが、
出来うる限り早く発表できますよう
努力いたす所存であります。
どうぞ、ご期待いただけますよう
伏してお願い申しあげます。

2013年8月吉日
NPO法人「絵本で子育て」センター


NPO法人『絵本で子育て』センター
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TEL0797-38-7516 FAX0797-38-7939
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