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 子育てにおいての絵本の重要性を伝える〈絵本講師〉を養成する「絵本講師・養成講座」(主催:NPO法人「絵本で子育て」センター、後援:朝日新聞社)の第2期開講式が4月23日、兵庫県芦屋市のラポルテホール・特設会場で開催されました。

開校式  第1期開講時からの同講座に対する関心の高まりをうけて、第2期は芦屋・東京の2会場で開催されることとなりました。応募者多数のため抽選により80名の受講が決定し、さらに芦屋会場には第1期絵本講座の修了者の中から10名が特別聴講生として参加することになりました。前回は受講者全員が女性でしたが、今回は数名の男性も加わり、第2期開講式は「子育て」は女性だけの仕事ではなく老若男女、全ての大人の仕事だという新しい時代の予感とともに始まりました。
 まずNPO法人「絵本で子育て」センター理事長・森ゆり子が「現在の子どもを取り巻く厳しい環境において絵本の果たす役割は大きい。これからの講座の中で子どもの育ち・絵本・環境について広く深く学んで欲しい」とあいさつ。続いて、来賓の秦武彦氏(岩崎書店大阪営業所長)が「学校での凶悪犯罪の現状は憂うべきことである。みなさんには高い志を持って頑張っていただきたい」そして同じく来賓の吉井康文氏(こぐま社常務取締役)が「どんなに時代が変わっても変わることのない子どもたちの心と変わることのない絵本の心を出会わせてやるのが親、そして絵本講師の役割である」とそれぞれ受講者を激励しました。
 最後に中川正文氏(作家・大阪国際児童文学館理事長兼館長)から「絵本は子どもに与えるものではなく届けるものである。一冊の本を仲立ちにして親子が共通の経験をし、ともに成長するものである」「講師の方々による絵本の話のうらにかくれている、我々の知らない人間としてのさまざまな引き出しを見つけだして欲しい。出会いよりも大切なものは出会った者とどう別れるかである。いい加減な別れをしないよう、講座の中身を全て知り尽くすくらいの意気込みで頑張ってほしい」と心に響くお言葉をいただきました。来賓の方々のお話に、受講生たちは一様に緊張した面もちで聞き入っていました。



飫肥先生  修了後は、お互いの交流を深めるために全受講生を10のグループに分け、昼食をとりながらのオリエンテーションが行われました。午前中の緊張した様子とは打って変わって、初対面のうえに年齢、性別、職業など様々な違いがあるにもかかわらず「絵本」という共通の話題でどのグループも早々に打ち解けた様子でした。
 午後の記念講演は作家の柳田邦男氏が「絵本は人生に三度〜心の砂漠にうるおいを〜」と題して、バーチャル時代の弊害や、なぜ「今、大人こそ絵本を」なのかについて2時間にわたり、具体的な実例やスライドを使ってわかりやすく講義されました。その中で柳田氏は子どもたちの現状として、保育士400名以上によるアンケートの結果、自己中心的・パニックに陥りやすい・粗暴などの傾向が多数みられたこと、その理由として・物が豊富になった現代では親が子の欲しい物は全て買い与え、子は与えられるのが当然で、努力して何かを得ることをしない・長時間テレビゲームに耽っているうちに、ボタン一つで自分が全てをコントロールしているような気持ちになってしまう・携帯電話やインターネットの普及につれて親と子、子と子が目を見て話し合い、体をぶつけ合って感情を表現することがなくなり愛着関係が作りにくくなったことなどを挙げられました。
 そして多くの大人が子どもの心を理解する力をなくしている今こそ、大人が絵本を読み、心に潤いを持って子どもに接するべきであると、穏やかにまっすぐ前を向いて語られた姿が印象的でした。スライドではお薦めの絵本10数冊を丁寧に愛情深く解説してくださいました。受講生ははじめての講演にメモを取りながら、時には涙を浮かべ感動している姿も見られ「これからもっともっと絵本のすばらしさを学んでいきたい」と話していました。
 この「絵本講師・養成講座」は来春まで計6回(うち1回は通信講座)行われ、受講生は「絵本で子育て」することの意味・意義を学び、自らがその楽しさを伝えられる「絵本講師」をめざします。 (報告・濱本香織)


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