『ほるぷこども図書館』の前身は、1967年(昭和42年)に、絵本作家・児童文学者・教育関係者など絵本、児童書の専門家総勢34名の選定委員によって選ばれた、この国初めての絵本、児童書の体系 『ほるぷのえほんと童話』(全5コース)でスタートしました。
 今回の『ほるぷこども図書館』の第15次改訂は、先の『ほるぷのえほんと童話』の刊行から数えて、なんと43

年の歳月を閲(けみ)したことになります。
 この間、この国は高度成長・公害発生・石油危機・バブル崩壊などさまざまな異変が起こり、社会が揺れ動いてきました。
 子どもの世界も、また例外ではありませんでした。大人社会の歪みを鋭く反映して、不登校、いじめ、学級崩壊、引きこもりなどの〈育ち・学び〉の深刻な問題が列島を覆いました。
 また、現在の少子高齢化社会は社会力(子どもを育てる家庭・学校・地域の機能)が脆弱になり、青少年の犯罪や親による虐待事件が続発し、〈子育て・子育ち〉の現場に暗い影を落としています。
 このようななかで『ほるぷこども図書館』は、43年間に15回におよぶ選定作業を繰り返してきました。(3年に1度)その選定は、時代の風潮に惑わされることなく常に子どもの側に身を置き子どもの文化を擁護する姿勢を貫いてきました。『ほるぷこども図書館』の誇りとするところです。
 選定の基準を〈普遍性をもつ不朽の名作〉〈最新の絵本、児童書の成果の大胆な採用〉におき収録作品については、選定委員会全員の賛意を絶対条件にしていることからも、その厳しさが理解されると思います。
 「ほるぷ」こども図書館全286冊は、その1冊1冊に、子どもたちの幸せへの願いを込めた作家と画家と選定委員の情熱が込められています。それは子どものための、生きた読書環境を実現したいとの熱い思いにつながるのです。

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本をえらんでくださった先生方とご協力くださった先生方
(五十音順、敬称略、肩書きは当時)
今井誉次郎(日本作文の会会長)
岩崎ちひろ(画家)
勝田 守一(東大教育学部教授)
菅  忠道(児童文学者)
橘内朝次郎(北多摩文学教育の会)
久米井 束(日本文学教育連盟常任委員長)
国分一太郎(教育研究家)
斉藤 尚吾(読書指導研究会)
早乙女勝元(作家)
西郷 竹彦(作家)
志々目 彰(三鷹台団地土曜文庫)
渋谷 清視(児童文学研究者)
代田  昇(全国学校図書館協議会)
神宮 輝夫(児童文学者)
壺井  栄(作家)
中川李枝子(作家)
滑川 道夫(教育評論家)
小出 正吾(作家)
羽仁 説子(日本子どもを守る会会長)
福知 トシ(井の頭保育園)
堀内 輝三(成蹊小学校教諭)
増村 王子(全国学校図書館協議会)
松谷みよ子(作家)
松尾弥太郎(全国学校図書館協議会事務局長)
真船 和夫(東京学芸大助教授)
椋  鳩十(作家)
無着 成恭(明星学園教諭)
村山 知義(戯曲・演出家)
村岡 花子(作家)
山崎  馨(北多摩作文の会)
横谷  輝(日本児童文学者協議会事務局長)
吉村 証子(津田塾大講師)
与田 準一(作家)
柳内 達雄(都立教育研究所指導主事)
 上記34名の先生方が、未来の子どもたちの健全な発育、成長を願って『ほるぷこども図書館』の前身である『ほるぷのえほんと童話』を選定してくださいました。今から43年前のことです。『ほるぷこども図書館』は、時代の風潮に惑わされることなく、子どもたちの文化、芸術を守ってきました。60年代以降の急激な経済成長下で子どもたちの「育ちの場」は脆くも崩れ去り、加えて少子高齢化社会の到来で子育てが困難な現在、『ほるぷこども図書館』は、ますますその価値を高め光彩を放ってきます。
 ほるぷフォーラムグループが〈いのち〉のように大切にする所以です。
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…21世紀を生きる子どもたちのために…


 『ほるぷこども図書館』は1967年―昭和42年に、いわさきちひろ 斉藤尚吾早乙女勝元 代田昇 壺井栄 中川李枝子 松谷みよ子 椋鳩十 無着成恭 与田準一 他、絵本作家・児童文学者といった子どもの本の専門家、34名の選定委員によって、日本で刊行されているすべての児童書を総点検し、日本の主要児童出版社の協力を得て、年齢コース別の児童書体系として誕生しました。
 暗く苦しかった戦後の復興期が終わり、日本が高度成長期へとさしかかった頃のことです。ようやく人々の暮らしも安定し、子どもの教育にも目を注ぐだけの余裕が持てるようになってきたのです。今に続く塾やおけいこ事がブームになろうとしていました。
 数社だった日本の児童出版社も数10社を数えるようになり、子どもたちのためだけにお話や文章を書く児童専門の作家=児童文学作家が数多くデビューしてきたのもこの頃です。たくさんの絵本や児童書が関を切ったようにおびただしく出版され、まさに玉石混交、何をどう選べばいいのかさえ分からないほど児童書籍は氾濫していました。
 そのなかで、「子どもにとって本当に必要な本とは何か」を問いかけ、「子どもの成長と発達に合わせた選書」に乗り出したのが『ほるぷこども図書館』だったのです。選定に先立つ1年間の準備期間に選定委員は以下のような選定方針を立てて実際の選書にあたりました。

  ・人間としての生き方を学ぶ土台づくりのための糧となるもの
  ・文学的、美術的にすぐれたもの
  ・子どもを本好きにする読書環境の基礎となるもの
  ・教育者をはじめ、子どもに関わるすべての人たちの定本図書となるもの
  ・二度と同じ過ちを起こさないために語り継ぐもの―

 こうした規準をもとに選ばれた本は、更に子どもの成長発達段階に合わせて年齢別のコースに分けられ、日本で唯一の絵本児童書体系がつくりあげられたのです。完成後も選定委員会は存続し、『ほるぷこども図書館』は3〜4年ごとに新刊児童書を含めて見直しが繰り返され、常に「今の子どもたちにとって必要な本は何か」を問い続けています。
 私達は、『ほるぷこども図書館』発売以来43年間、400万人の子どもたちに良書をお届けしてきました。時代は刻々と変化し、子どもたちを取り巻く社会も激しく動いています。しかし、子どもにそそぐ両親の愛情だけは、どんなに時代が変わっても変わることはありません。大昔は囲炉裏のそばで、そして今ではベビーベッドのそばで、親は繰り返し繰り返し子どもを抱いて育んできました。子どもが生まれてすぐにはじまる「語りかけ」、手さぐりの言葉で覚えはじめるころからの「読み聞かせ」。こうした親と子の絆をつなぎ、愛情をつちかう子育てに絵本は大きな助けとなってくれます。
 私達は『ほるぷこども図書館』誕生以来、一貫して「子どもたちの生きる力を育てるための読み聞かせ」を提唱してきました。
 私達は、子どもが自らの力でさまざまな知識を獲得し、自ら「育つ」ことを応援します。大人はともすれば、膨大な知識や社会的な規範を「教える」ことに熱心になってしまいますが、子どもたちにまず必要なことは人として育っていくための基本的な力、「よく見、よく聞き、よく分かる」―想像力や創造する力ではないでしょうか。
 「読み聞かせ」はこうした子どもたちの力を育て、日一日と子どもたちの心を育てていきます。感動する心、思いやる心、豊かな心は両親が読んでくれる絵本の「読み聞かせ」が育むのです。知性と情緒をともに、子どもたちの成長と発達に応じてバランスよく育てる良書。
 『ほるぷこども図書館』はそうした両親の子育てを応援し続けています。新刊絵本を含め、手に入る最も優れた絵本・児童書を選りすぐった最新の選定、第15次改訂版『ほるぷこども図書館』をおすすめします。

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